別名 ピラミダルプレートアーク、ピラミダルハロの幻日
英名 pyramidal plate arc,x-degree parhelion/plate arc
氷晶 ピラミッド型
配向 プレート
光路
このページではピラミダルハロの幻日に当たる現象、「ピラミダルプレートアーク」について解説する。
22度ハロの左右に光の集積(22度幻日)が生まれるのと同様に、ピラミダルハロにも同じメカニズムで"幻日"が現れる。ただしピラミダルハロの幻日は左右に現れるとは限らず、形もスポット状ではなくV字型などのアーク状と、見た目が通常の幻日とかけ離れていることから「ピラミダル氷晶がプレート配向時に現れるアーク」という意味でピラミダルプレートアークと呼ばれることが多い。
ピラミダルプレートアークは、ピラミダルハロと同様に9度、18度、20度、23度、24度、35度の6種がある。
※この考え方を逆に当てはめると通常の幻日は22度プレートアーク、環天頂アークと環水平アークは46度プレートアークと呼べる。
実際のピラミダルプレートアークは以下の画像のように、ピラミダルハロの一部分が明るくなっているものとして観測されることが多いので参考にしてもらいたい。
20度、23度プレートアークはパリーアークに極めて似ていることからParry shaped arc , Parroid arc(パリー型アーク)と呼ばれることがある。
特に20度プレートアークはサンベックス型パリーアーク、23度プレートアークはサンケーブ型パリーアークと類似してる。
何故似ているのか、それは下の画像の光路を見ると明らかなように、プレート配向時のピラミッド面はあたかもパリー氷晶のプリズム面のような振る舞いをするからである。
ただ、ピラミッド面はプリズム面に対し28度の角度であり、ピラミッド面の対面同士は56度となる。
よって、56度プリズムで出来る20度プレートアークは、60度プリズムで出来るサンベックス型パリーアークより最小偏角が小さくなり、より太陽側に現れる。
同様の理由で62度プリズムで出来る23度プレートアークは、60度プリズムで出来るサンケーブ型パリーアークより太陽から離れる。
また、18度・24度・35度プレートアークは側方に現れることからx度ラテラルアークとも呼ばれることがある。
観測例
Atmospheric opticsより
Pyramidal Crystal Plate Arcs
Ursa Ice crystal halosより
9度プレートアーク
18度プレートアーク
Thompson's arcとも呼ばれる。
18度ハロの左右に現れることから18度ラテラルアークとも呼ばれ、太陽高度約18~65度の間で観測される。
観測例
AKM eV より
20度プレートアーク
20度ハロの上下に現れる。その見た目と振る舞いはサンベックス型パリーアークと非常に似ており、Parry shaped arc , Parroid arc(パリー型アーク)とも呼ばれる。
上部は太陽高度約10度以下、下部は約35度以下で観測される。
観測例
Atmospheric optics より
23度プレートアーク
下部プリズム面が大きいピラミッド型氷晶だと、1(ベーサル面)→23~28(下部プリズム面)の経路を光が通り易くなるために、他のピラミダルプレートアークより明るく鮮やかになる一因となる。
観測例
上部23度プレートアーク
AKM eV より
Atmospheric opticsより
Pyramidal upper parhelion
The Halo Vaultより
Odd radius display 24.9.2007
24度プレートアーク
35度プレートアーク
Sturm's arcとも呼ばれる。
35度ハロの斜め上下(2、4、8、10時方向)に現れる。
上部は太陽高度約10度以下、下部は約40度以下で観測される。
観測例
Atmospheric optics より
映ピラミダルプレートアーク
幻日に対応する映幻日のように、ピラミダルプレートアークに対応する映ピラミダルプレートアークが存在する。詳細は不明だが、通常の光路の途中に底面反射が加わったものと考えられる。
現在は映18度、23度プレートアークが観測されている。
観測例