太陽アーク、映日アーク、対日アーク

 このページにあるアーク達は形が複雑であり理解しにくい。例として太陽アークと対日アークの関係性を上の図に示すので理解の一助となれば幸いである。


 傾斜の異なる二つの砂時計型の立体があり、それらのくびれの部分をそれぞれ天球上の太陽点対日点に合わせて重ねてある。すると天球と立体の交線こそがそれぞれ太陽アークと対日アークになる。

 

 映日アークとトリッカーアークの関係性も同様である。



 次に太陽高度10度の時の4アークの形を色分けしてみた。天頂・天底を魚眼で見たときの両方を載せる。



太陽アーク


別名 へーリックアーク

英名 heliac arc

氷晶 六角柱状

配向 パリー、ローウィッツ

光路 パリー 4,5,8,152,345,

       271,387,27341

   ローウィッツ 4


 太陽点で交差する、全体で8の字を描くダイナミックなアーク。映日アークと常に平行であり上下は対日アークに接する。太陽高度約60度でループがほどけ(太陽とループ頂点の距離≒120-2×(太陽高度))、太陽から離れていき、90度では太陽中心の円になる。


観測例

Atmospheric Opticsより

※太陽アークと映日アーク

Tracks in the Sky


AKM eV より

※太陽アークの解説

Sonnenbogen


対日アーク


別名 サブアンセリックアーク、映向日アーク

英名 subanthelic arc,antisolar arc

氷晶 六角柱状

配向 パリー

光路 3145,3287,3827,4286,

   42678346,4187654386


 対日点で交差する、全体で8の字を描くダイナミックなアーク。トリッカーアークと常に平行であり、上下は太陽アークに接する。


観測例

Atmospheric Opticsより

※対日アークとディフューズアーク、映幻日環、liljequistの映幻日

Subhorizon Gems

※対日アーク

Halos at the Antisolar Point


AKM eVより

※対日アークの解説

Untergegensonnenbogen


映日アーク


別名 サブへーリックアーク

英名 subheliac arc

氷晶 六角柱状

配向 カラム、パリー

光路 カラム 1342,1352,2351,2381

   パリー 1452,2871,267831


 映日点で交差する、全体で8の字を描くダイナミックなアーク。太陽アークと常に平行であり、上下はトリッカーアークに接する。太陽高度約55度で完全に地平線下に沈む。

 Hevelのハロ(90度ハロ)はこれである可能性が高いとされている。


観測例

Atmospheric Opticsより

※太陽アークと映日アーク

Tracks in the Sky


AKM eV より

※映日アークの解説

対日


別名 映向日

英名 subanthelion

氷晶 六角柱状

配向 

光路 


 対日点に現れる光の集積。独立して存在する現象とされる説と、対日点を通過する多数のアークの重なりにより明るく見える説がある。

 飛行機上から観測できる似た現象にハイリゲンシャイン、対日光がある。巻層雲上だと対日、砂漠や露上だと対日光・ハイリゲンシャインの可能性が高く、対日周囲に別のアークが出てるかどうかも判断の助けになる。


観測例

Ursa Ice crystal halosより