太陽柱、映日

太陽柱


別名 サンピラー

英名 sun pillar

氷晶 六角板状

配向 プレート、カラム、パリー、ローウィッツ

光路 プレート 上部2 下部1

   カラム、パリー、ローウィッツ プリズム面反射


 太陽が上下に伸びる現象一般的には揺れの大きいプレート配向の氷晶によって起きる。波打つ海に太陽が映ると長く伸びた像になるのは理解できると思うが、それと同等のことが空気中の氷で起きていると考えて良い。

 (氷晶の揺れが少ないと映日となる。こちらは静かな水面に映る太陽を想像しよう。)


 

 上の図は揺れ角を変化させたときの太陽柱の変化を示す。揺れが大きくなるにつれてハッキリしてくるのが分かるが、ある程度大きくなると逆に薄くなる。これもシケた海を想像すると理解できるだろう。


 太陽以外も光源に成りうる。月であれば月柱(ムーンピラー)、金星であれば金星柱(ヴィーナスピラー)。ちなみに光源が街灯等であれば光柱(ライトピラー)となるがこれは似た別の現象である(下記参照)


 ※光柱は太陽柱とメカニズムは同じですが、現象の振る舞いは大きく異なります。これは太陽柱平行光によるものであるのに対し、光柱拡散光によるものだからです。

 

 ※太陽柱が発生したとき、明るい幻日や上端接弧も現れるとそれにも柱が生まれることがあります。



観測例

Atmospheric optics より

※太陽柱の解説

Pillars

※映日と下部太陽柱

Subsun, Sun Pillar & Sundog

※カラム配向の太陽柱

Sun Pillar at Oslo, Norway


AKM eVより

※上部太陽柱の解説

Obere Lichtsäule

※下部太陽柱の解説

Untere Lichtsäule


サイドウェイピラー


 下に載せた記事で、光が縦方向に伸びる従来のライトピラーと共に横方向にも伸びる側方ライトピラーが出現した。実際は拡散光による幻日と幻日環であり、両側斜め上には超幻日が見える。拡散光による幻日、幻日環、超幻日などについてはこちらから。


観測例


Sideway & Vertical Light Halos


サンピラーエコー


 サンピラーの両側に現れる同じような光柱のことで、クリスマスに初観測されたことからクリスマスアークとも呼ばれる。扁平なピラミッド型氷晶が関係すると考えられる。詳しくは扁平ピラミッド型氷晶のハロへ。


トランペットピラー


 ライトピラーの上に上部タンジェントアークが現れることでトランペットのように見える現象。詳しくは拡散光によるハロへ。


映日


別名 サブサン

英名 subsun

氷晶 六角板状

配向 プレート

光路 1,1→2→1,3→2→6


 映日点(地平線を中心とする太陽の対称点)に現れる光の集積。

 揺れの少ないプレート配向の時に現れる。いわば空気中の氷が鏡になった状態であり、静かな海に映る太陽と同じことである。


観測例

Atmospheric optics より

※幻日、映日、映幻日

Dogs & Subdogs

※映日と下部太陽柱

Subsun, Sun Pillar & Sundog


AKM eVより

※映日の解説

Untersonne


反射映日


 海面等に反射した太陽によって出来る映日で、太陽点に起きるため普段は分からない。

 下に海や湖があり、厚い雲に太陽が隠れても尚、そこに光の集積や太陽柱のようなものが見られた時にそれである可能性が高い。


観測例


Harvinaisia halomuotoja - 6.1.2017 klo 11.00 Lieto

映日の尾

 

 飛行機から映日が観測されたとき、映日から光の線条が伸びることが何度か報告されている。正式名はないためこちらでは"映日の尾"と仮称する。

 原因は不明で、当初飛行機の窓ガラスの擦り傷によるものとも疑われたが、現在は大気中の氷晶が飛行機のジェットにより体勢を乱されることで起きると考えられている。


観測例

Atmospheric optics より

Subsun 'Tails'

Subsun Streaks?