主虹、副虹

主虹


 光が大気中の水滴に入り一度反射することどで発生する、対日点が中心の視半径40~42度の円形の現象。しかし通常は地面があるため弧状となる。

 外側は赤色、内側は紫色となる。



雨粒のサイズによる虹の特徴


大きすぎる 雨粒が変形して見えにくくなる。

大きい   虹の幅は狭くなるが、鮮やかになる。副虹が見やすい。

普通    普通。

小さい   虹の幅は広くなるが、明るく白っぽくなる。

小さすぎる ミー散乱によりほとんど分光せず白い。霧虹、雲虹が該当する。

赤虹


 朝焼け、夕焼け時に見られる赤色の虹のこと。光の赤色成分が多いことで虹が赤色に見えるだけで、通常の虹とメカニズムに違いは無い。

 

 ※つまり光源の色を変えれば、その色の虹を作ることができます!実際に様々な単色のスポットライトで作られた虹の画像が載っているリンクを下に記しておきますので、是非ご覧ください。


観測例

※Atmospheric optics より

赤虹

Red Rainbows

様々な色の虹

Niagara Floodlight Bows


白虹


 「白虹」とは白色の大気光学現象全般を指すあまり正確ではない言葉である。

 ・雨粒の小さく分光が弱くなった虹

 ・霧虹、雲虹

 ・ハロやアーク(特に反射系)

以上の全てを指すことがある。

 

 ※「白虹日を貫く」太陽を貫く白い虹は不吉を予兆する、ということを意味する言葉がありますが、これは幻日環を指すとされています。


副虹

 

 光が大気中の水滴に入り2度反射することで発生する、対日点が中心の視半径51~53度の円形の現象。主虹と同様、通常は下部分が地面に隠れ弧状となる。

 外側が紫色、内側が赤色となり、雨粒が大きいと現れやすい。

 

アレキサンダーの暗帯


 主虹と副虹の間の暗い部分のこと。

 水滴によって歪まされた光の行き先が主虹の内側・副虹の外側に集まることで、その部分が明るくなり、普通の明るさである間の部分が相対的に暗く感じる。


過剰虹


 干渉により主虹では内側・副虹では外側に何重にも虹が繰り返して見える現象。


 ※干渉虹とも呼ばれます。鮮やかなものは主虹・副虹になぞらえ「第三の虹が出現した!」等と紹介されたりしますが、実際は主虹・副虹の1成分であることに注意してください。


観測例

Atmospheric Optics より

Supernumeraries


露虹


 草や地面等に付いた水滴によって起きる、地面に映る虹のとこ。ハロでいうグラウンドハロ

 稀に水面にも露虹が起きることがある。水面に藻、油膜、虫の死骸やゴミが浮いているとそこに凝結した露によって露虹が生まれることがある。

 

 ※朝露に濡れた田んぼや芝生などでよく見られます。更にこのようなときはハイリゲンシャインも起こりやすいです!


観測例

Atmospheric Optics より

Dew Bow

Ground Rainbows

水面の露虹

Dewbow over water, Finland



異常虹


 雨粒が大きく空気中で扁平になったり、形が不均一になることで起きる、通常の虹とは見た目が異なる虹の総称

 綺麗に枝分かれして二重に見える虹を双子虹(枝分かれ虹、Twinned bowsとも)、像が乱れている虹を狭義の異常虹(跳ね虹、anomalous bows)と呼ぶ。


観測例

Atmospheric Optics より

双子虹

Twinned Rainbows

Twinned bows

Puzzling Triple Rainbow

Anomalous Bows

その他の異常虹

Multibows at Niagara




レインボーコーン


 頂点が観測者で、対日点中心で視半径が(主虹とすると)42度のメガホン型をイメージしてください。それがレインボーコーンという概念であり、この部分に雨粒があると虹が見えるというものです。

 

 ※同様の概念にハロコーン(平行光22度ハロ)、ミンナルトの葉巻(拡散光22度ハロ)、ミンナルトの林檎・レインボートーラス(拡散光による虹)といったものがあります。


 この概念が分かりやすい写真が以下のサイトに載ってありますので紹介させていただきます。


Atmospheric Optics Rainbow corn