反射虹
周辺に海や湖などの太陽が反射する地形が存在すると起きる、通常の虹とは中心が大抵上方向にずれた虹のこと。これにも主虹と副虹がある。
なぜ上方向にずれるか、それは水面に映った太陽が光源となると考えて良いので、中心は向日となるからである。
水におけるフレネル反射率を考えると、入射角50度以上(太陽光度40度以下)で急速に反射率が増大していくことから、日が沈む程反射虹は現れやすくなることが分かる。
反射虹はreflection rainbows、水面に映った虹はreflected rainbowsと呼ばれる。
※条件が良いと通常の主虹・副虹・反射主虹・副虹の計4つの虹が現れ、とても壮観です!しかしこれらが3次・4次虹と誤解されることもしばしばありますので注意してください。
観測例
Atmospheric Optics より
AKM e.V.より
傍心虹
反射虹は、虹の中心が対日から向日へずれるために本来の虹より基本上方向にずれる。しかし記録では、横方向等にずれるよく分からない虹が数例観測されている。そのような虹の中心のずれ方が反射虹と異なる虹を傍心虹と呼ぶ。
自然発生した際の写真は無いが、人工的になら窓や鏡に映った太陽を利用すると再現可能である。
※日本では足尾銅山で数少ない観測例があります!
観測例
気象集誌. 第2輯 著者:朝比奈 貞一
十一、月虹
1929 年 7 巻 9 号 p. 322a-323
スコットランド、ゲアロックにて10.20.1879の8:25に観測。Hanraryは最初左の虹を見つけ、その付近の人間が全体像を確認しその後この絵を描いたとされる。
高く打ち上がった波、雪などで覆われた山肌、付近の家の壁などが反射元かと推定されているが懐疑的である。
凍雨虹
透明度の高く球状の凍った雨粒が降る現象、凍雨により起きる虹で、主虹と副虹の間に現れる。
通常の雨粒に比べ屈折率が低くなるため(水:1.33、氷:1.31)、通常の虹より半径の大きい虹が出現するとされる。
※双子虹、5次虹との違い
・双子虹は、主虹から枝分かれしたような虹が現れる現象。主虹と同心円でないこと、主虹より内側に現れることが違い。
・5次虹は、主虹と副虹の間に現れることから位置的には鑑別は困難である。しかし光量が著しく低いこと、幅が広いことが異なる。
※凍雨と雹、霰の違い
・凍雨は、上空で雪が溶け雨粒となるも、地表付近の冷気で再凍結し、透明度の高い球状の氷の粒となって降り注ぐ現象。
・雹、霰は、主に積乱雲内で氷粒子・雪結晶が雲粒を捕らえて、上下運動を繰り返し大型の氷の塊となって地表へ落下する現象。霰は5mm未満、雹は5mm以上とサイズによってのみ定義される。
観測例
Atmospheric Optics より
Another Anomalous Bow 凍雨虹と疑われているが、真偽は不明