霧虹、雲虹、ブーゲの暈

霧虹


 フォグボウ、fogbowとも呼ばれる。でできる虹のことで、普通の虹と異なりほとんど白色である。これは霧の水滴は大変小さくミー散乱を起こすためである。

 普通の虹と同様に副虹が見られることもあり、それぞれに過剰虹が付属することもある。


 ※ブロッケン現象と一緒に発生することもしばしばあり、自分を取り囲む様々な虹色はとても幻想的な風景を作り出します。


観測例

Earthsky より

What is a fogbow?

Atmospheric Optics より

霧虹と過剰虹 Polarization & Bows

霧虹の過剰虹と連続するブロッケン現象 Fogbows & Glories

主霧虹と副霧虹とそれぞれの過剰虹 Unusual Lamp Fogbows


雲虹


 クラウドボウ、cloudbowとも呼ばれる。でできる虹のことで、霧虹と同じくミー散乱によりほとんど白色である。
 
 霧虹と雲虹の違いは霧と雲の違いに帰結する。本質的には両者とも同じものであり、存在するのが上空か、地表付近かというだけである。この性質のため地上で見つかる白虹は霧虹飛行機から見られる白虹は雲虹と考えて良い。

観測例

Atmospheric Optics より

Cloudbow

Cloudbow



Bouguer's halo 


 ブーゲの暈(ウロアの暈とも)ハロと一緒に現れる霧虹のことであり、ハロでないことに注意してほしい。

 1735年にペルー、アンデスにて冒険家のPierre BouguerとAntonio de Ulloaによって報告された。霧虹は白い虹のため、他のハロと一緒に出現するとまるで対日点を取り囲む未知のハロのように見えてしまったことが暈と呼ばれる由来である。


 しかしただの霧虹と侮ってはいけない。ハロと霧虹が同時に現れるのは意外に難しいのである。

①ダイヤモンドダストによるハロと霧虹の場合

 この場合は氷晶と水滴が同時に存在しなければならない。理論上は温度と気圧が三重点と融解曲線上にあるときである

 また、空気中の水分が過冷却になっている状態で刺激が与えられた(排ガスなどで核が供給される等)とき、全ての水分が氷晶になるまでの極めて短い期間共存することが可能となる。

 以上のようにダイヤモンドダストのハロと霧虹の共存が大変難しい。

 

②巻層雲等によるハロと霧虹

 こちらも難しい。地表付近に霧(層雲)があることで霧虹は現れるが、その霧自体が太陽方向まで広がっている場合は「巻層雲にかかるハロ」が見えにくくなってしまう(そもそもそういった状態だと太陽光が散乱し、霧虹すら現れないだろう)。

 霧が対日方面に偏る特殊な状態が理想的である。


観測例

Atmospheric Optics より

Bouguer's Halo


The Halo Vault より

Bouguer's halo 12.12.2008

Another Bouguer's halo 20.12.2008