オルタナティブパリーアーク


 氷晶の代表的な配向として、ランダム、プレート、カラム、パリー、ローウィッツ配向の五大配向が挙げられる。しかし、理論上は他にもいくつかの配向が存在すると考えられており、このページで紹介するオルタナティブパリー配向もその1つである。

 オルタナティブパリー(alternate/alternative Parry)配向とはc軸を水平かつ2つのプリズム面が垂直となる配向である。


 なぜ「パリー」の名が付いているかというと、

カラム配向(自由度2)→プリズム面の制約

(自由度1)

という流れがパリー配向と共通のためである。プリズム面の制約の内容が「2つのプリズム面が水平」であれば通常のパリー配向、「2つのプリズム面が垂直」であればオルタナティブパリー配向と呼ばれる。


 オルタナティブパリー配向がつくる現象として特徴的なものを以下に記す。


①オルタナティブパリーアーク

 太陽上下、視角22度付近に現れるアーク。おそらく出現してもタンジェントアークと見分けることは困難である。

②オルタナティブパリーラテラルアーク

 太陽中心に2・4・8・10時方向、視角46度付近に現れるアーク。

③46度幻日

 22度ハロの左右に現れる22度幻日のように、46度ハロの左右に現れる光の集積。

 太陽高度が上がるにつれ太陽から離れていく。


※今まで観測され44度幻日とされてきた現象の一部や、まことしやかに存在を噂されていた46度幻日、実は③だったかもしれませんね!ロマン!


解説例


Atmospheric optics p121 Figure C-32

Origin of the Parry arc Figure 2,4